オムニバスCD「ENKA 80’s-僕らの80年代演歌ー」に込めた思い

あの頃、僕らはどんな音楽を聴いていたのだろう…。

歌番組が全盛だった1980年代…。テレビの中で、ジャンルを問わずに唄われている楽曲に、僕らは自然に接し、口ずさんでいた。
でも、いつの間にか「演歌・歌謡曲」に接する機会が少なくなっていった僕ら。
けれど、幼い頃に聞いた数々の楽曲は心の中にいつまでも残っていて、聴けばなんとなくあの頃を思い出す。
そこにはポップスも歌謡曲も演歌もなく、そこには、ただ"歌"があるだけ…。

テイチクレコードHPより引用

上に引用したのは、2014年1月に発売された演歌・歌謡曲のオムニバスCD「ENKA 80’s-僕らの80年代演歌-」のキャッチコピー。
とは言っても、この文章は自分で作ったものなんですが…(^-^;

今回のブログを立ち上げるのにあたって、差支えの無い範囲で過去の自分の関係した作品などについてもかけたらいいかなと思って、プロフィールページにも少しそんなことを記載したのですが、いきなり”コラム的なもの”の本当の意味での最初の記事になってしまいました(笑)

全部が全部の作品に等しく強い思いがあるかどうかっていうと正直そうではないですが、やっぱりそれなりに強い思いを込めて企画した作品もあって、その中の一つを今だから直接自分で発信出来たらなあ…なんて思って書いてみようと思います。

ザ・ベストテン世代だからかもしれない

さっきキャッチコピーは自分作ったと書きましたが、それっぽく書いてはいるものの、自分自身の体験や思いをそのまま表しただけっていうものだったりします。
自分が子供の頃は、テレビに歌番組が沢山あって…「ザ・トップテン」や「夜のヒットスタジオ」そして「ザ・ベストテン」…。もちろん「MUSIC FAIR」や「MUSIC STATION」なんかもあったり、その他も色々沢山知らなくてもあったと思いますが、特に「ザ・ベストテン」は翌日の学校での話題になったりしてたような…そんな時代でした。

出演してくれないアーティストもいたけれど…ランキング形式なので色んな歌手、アーティストが毎週出てくる。

歌謡曲を歌う歌手やロックを歌う歌手、アイドルとかもそうだし…。あんまりジャンルとして意識せずに見てたような気がします。
少し大きくなってジャンルが色々あるってことを知るというか…そんな感じ。
今でこそロックが好きとか言ってるけど、小さい頃は「北酒場」とか楽しそうに口ずさんでたし、別に今も嫌いじゃないし…。

今の子供とか若い人たちが演歌・歌謡曲に抵抗があるっていうことではないのかもしれないけど、やっぱりそういった曲を聞いたり、歌ったりする人は年齢層が高くって、歌手自体が若くてもファンは年齢層の高い方たちが殆どだったりする。
接する機会がないからだったり、いろんな趣味とかが細分化されていたりとか、いろんな要素はあると思いますけど。

おじいちゃん、おばあちゃんとか、そうでなくても演歌・歌謡曲が好きな人たちに育てられた感じの子供とかは家で流れてたっていう事で接してて好きになるってパターンは今でもありますもんね。

でも、間違いなく自分が子供だった頃とは環境は違うのかな…。

ファン層を広げたい

これはどんなアーティストでもジャンルとかでも、より知ってもらう、より聴いてもらうっていうためにそういう事は考えると思います。それが性別なのか、年齢なのか、エリアなのか…とか色々だと思いますが。

そんな中で演歌・歌謡曲のファン層は年齢層が高い方が多いので、そこを下げていかないと頭打ちなんじゃないかな?なんて勝手に思ったりしてました。

作品だした当時はサブスクとかこれからっていう感じの時期でしたが、今現在の状況なら、もし年齢層が下がってサブスクとか利用するくらいの層に支持されたら、演歌・歌謡曲がサブスクのチャートにドンドン入ってくる事とかあるだろうし…。

というか…実際はそういうチャートに入ってきてるのかな?
入ってきてるとしたらどれくらいなんだろう…。

見せ方を変えて興味を持ってもらえたら

もし、このオムニバスをよくある普通の感じのタイトルで、例えば「演歌ヒット大全集」みたいな感じにして、ジャケットもよくある演歌系のジャケットにしたらもっと売れてたのかな…なんて思ったりしますが…。
結果はどうだったかなんてわかりませんけどね(^◇^;)

でも、そうじゃなくって年齢層を下げたいってところがあったので、出来るだけ既存のイメージではない感じにしたくてタイトルは「80‘s ALIVE」ってオムニバスがそれ以前にありましたが、そんなイメージも少し含んでアルファベットで「ENKA 80’s」ってしました。とはいえ、それだけでは、わかりづらいのでサブタイトルで「僕らの80年代演歌」って入れましたけど。

ジャケットは子供達が夕方家に帰って、夜になったら家で歌番組を見るっていう時代を思い起こさせるイメージにしました。

そうしたら、ゴリゴリの演歌オムニバスのパッケージより、手に取りやすかったり、普段あんまり大きく扱わないお店とかでも面白がってくれるかな?とかっていう思いもあったのですが…。

結果的に逆効果で、どっちにも扱いづらいものになってしまったのかも…。

自分の中でイメージした年齢層は自分と同じくらいの年齢の人たち。
若くはないけど、現状よりは若くなるし…と。

収録曲は実際に自分がよく聞いたヒット曲

【収録曲】
01. みちづれ
02. おもいで酒
03. ふたり酒
04. 帰ってこいよ
05. 雨の慕情
06. みちのくひとり旅
07. 北酒場
08. さざんかの宿
09. 冬のリヴィエラ
10. 氷雨
11. お久しぶりね
12. 越冬つばめ
13. 娘よ
14. そして…めぐり逢い
15. 道頓堀人情
16. 時の流れに身をまかせ
17. 雪國
18. 天城越え

収録曲については選曲するのにあたって、年代は絞ってヒット曲のリストを作って、その中から実際に自分が歌番組でよく聞いたものを選んでいきました。自分が選んだからっていうのではなく、本当にいい曲ばかりだと思いますし、超有名曲ばかりだと思います。
ここがズレちゃったら「演歌・歌謡曲の良さを下の世代に広げたい」っていう目標が達成できないだろうし…。

集まったのはどっちかっていうと「ど演歌系」はあんまりなくって、「歌謡曲」って言われる分野だとは思いますが。

自分自身は音楽好きだけど、特に好きっていう以外に音楽的な知識や音楽家的なスキルとか特別なものがあるわけではなくって…。努力をしなかったわけではないけど、やっぱり運とか縁とかもあって出来た仕事だったと思うので。それに、ものすごく音楽に詳しいマニアな人に比べたら全然聞いてる量とかも少ないんじゃないかなと思ったりしてます。
そんな自分が選んだ”いい曲”っていうのは結構、幅広い人にも共感してもらえるんじゃないのかなぁ…っていう勝手な思いもあったりします(笑)

こだわったのはオリジナル音源

そして収録している曲の音源でこだわったのは、出来るだけ発売当時のオリジナル音源を収録すること。色々決まり事とか制約とかあって、入れたい曲を必ず入れられるわけではないのですが、そんな中でしっかりオリジナル音源が集まりました。確か1曲「おもいで酒」だけは一番最初のオリジナル音源ではなかったと思いますが。

自分はカバー曲も好きだし、セルフカバーも好きだったりします。でも、そういうテーマとか、あえて他との違いを出すために別バージョンを選んで収録することはあったりしたけど、このオムニバスに関しては、自分自身、自分と同世代の人たちへの”ノスタルジー”というか、懐かしさを煽りたいってところもあって、聴いてみて「あれ?ちょっと違うかも?」っていう印象は出来るだけ避けたいっていうのがあったので。

最後に

多分もうメーカーでは製造してない商品だとは思うので…手に入りにくい作品だと思うけど、もし偶然このオムニバスを店頭とかで見かけたりしたらこのブログを思い出してもらえたら嬉しいな…と。

見てみたら、アマゾン…高値だ(^-^;