シンガーソングライターの「歌ってみた」動画配信について思うこと

何となく思ったことなので、細かく分析したわけでもないし、否定するわけでもないんですが、一つの考えとして表題の件について書いてみようと思います。

プロモーションとしてのカバー動画公開

まだまだ知名度、認知度が少ないということで有名曲をカバーした動画や音源を何らかの形で公開するということはプロモーションの一つとして勿論ある話だと思います。
そのカバー動画でまずは知ってもらって、次に自分の楽曲にたどり着いて、最終的にファンになってもらえたらという流れを理想としていると思いますし。

でも、本当にそれがどこまで効果があるのか…っていう事をふと思った。

自分がまだ某レーベルにいて担当したバンドにも言ったことがあります。
「有名な曲を思いっきり自分たちらしくアレンジしてみた動画をYouTubeにアップしてみたらどうかな?」…と。
そのバンド自体が作り出す楽曲はものすごくPOPでキャッチーなので、とにかく知名度を上げたら状況も変わると思ったので…。
結果、その案は彼らが実行しなかったので、やったとして効果があったかどうかはわかりません。
ただ、肝になるところは「自分たちらしくアレンジ」っていうところで決してコピーではないようにして欲しいとは思っていましたが。

どれくらいの効果があるのか

もし、今現在よりも知名度を上げるために行うのであれば、どれくらいの効果があるのか、それを考えてやる必要があると思う。
直近でそれを思ったきっかけというのが、とあるシンガーソングライターが以前よくやっていたように、ツイキャスでカバー曲を中心に配信するということを配信内で伝えているのをみたら、現状のファンがにわかに期待感を口々にしているのを見かけたから。

そこでふと思ったのが「カバー曲を沢山やっても、結局今いるファンへのサービスにしかならないのではないだろうか…」

もちろん、効果ゼロっていうことはないだろうし、いろんな知ってもらうきっかけを作るための策としてであることは承知の上ではありますが。

歌ってみた配信の視聴者数

ツイキャスなんかを見ていて、例えば現役でライブ活動しているアーティストたちが配信で歌っているのと同じ時間帯に、「歌ってみた」系の普段からカバーばかりを歌っているタイプの配信者の視聴者数が目に入った時に、「歌ってみた」のほうが5倍から10倍ぐらいいたりしたことがあった。
自分が無知なだけで、その配信者は有名な方なのかもしれないけど…。

しかし、それだけの視聴者数が集まるようになったのは何故なのか。
多分カバー曲を歌っているからではなく、その他の何かがあるような気がする。
勿論分析したわけではないのですが…。
普段のフィールドが配信で、そこに視聴者が集まるような工夫をしているから集まるんではないかなぁとか…。

ヒット曲だからヒットするとは限らない

これは当たり前のことなんだけど…。
ヒット曲をカバーしたとしても、そのカバーした音源そのものをヒットさせるには、その音源をヒットさせる努力とか工夫とかが必要。
自分は主宰しているレーベルでカバー企画を配信リリースし続けていますが、基本的にはヒット曲をメインにカバーしたものであったりします。
でも、当然のことながら、その原曲を好きだからと言って、必ずカバーが受け入れられるとは限らない。
世の中でも沢山、同じ曲をカバーされていたりするけど、その音源がヒットする確率というか、数はリリースされている音源のうちのごくわずか。
ある程度の実績は少なからずとも出るのは間違いないと思いますが。

明確な目的や目標を持てば効果が出てくるのではないだろうか

そういったところからも思うんですが、「歌ってみた」がダメとは言わないんだけど…。
結局、”何かのきっかけになれば”くらいなら効果は薄いと思う。
その動画そのものがバズるように工夫や努力をしないと…。
その方法は色々あると思うけど、単発でちょこちょこやってもダメだろうし、計画的に定期的にやっていくこと。
動画をしっかり宣伝すること…が必要なんじゃないだろうか…と。

勿論、ごくまれにいきなりバズるということもあるのかもしれないけど…。多分、そういうのって運もあるかもしれないけど、しっかりとした何らかの下地があったり、本当に才能や魅力があったりするからなんではないかと思う。

自分の楽曲を広めるのと同じこと

カバーであってもオリジナルであっても、自分の「歌」を広めたいのであれば、同じくらいの労力は必要だと思う。
それであるならもっと直接的に自分の曲を広めることに力を入れたほうがよいかもしれない。

この判断は難しいし、結果どっちがいいのかわからない…。

って書いてしまうと、元も子もないですが(^-^;

いわゆる「歌手」であるなら極端にいうと作家さんが作った曲を「歌ってみた」してるわけで…。
シンガーソングライターとはまた違うと思う。
自分の作った音楽を世の中に広めていきたいっていうならば、カバーに費やす1分2分を自分の曲に費やすほうがいいのかもしれない。

まだ駆け出しでこれからっていう人と、ある程度キャリアもあってファンも固定数いたりするのとは状況が違うので、そこは少し変わってくるかもしれない…。
でも、全然ファンが居なかったら、カバーしてそれを広めようとすると思うだろうし…。

生配信と収録動画とごっちゃになった感じの書き方になってしまいましたが…、結局は前段に書いたことが大事なんだろうと思います。

コンテンツという大きな意味では、なんでもそうなんですけどね(^-^;
このブログだって読者を広めようとしないと読者はついてくれないでしょうし…。

ある意味、自分への別方向での戒めみたいなものにもなりました(笑)