ブックレットの歌詞掲載はレコード会社のユーザーサービスの一環?

久しぶりに「コラム的なもの」なのですが、ふと思い立って、タイトルの件について書こうかと思いました。
これって、実際にはCD代金の中に総合的に入っているのは間違いないので、どう捉えるかっていうのもあるんですが…。

日本レコード協会の制定するコンパクトディスト規格

そういうのがあるんです。
メジャーのレコード会社やインディーズも一部そうかな?
日本レコード協会に加盟しているレーベルがCDソフトを発売するにあたって、統一の仕様というか、規格というのがあったりします。
基本的にはそれに準じてCDやジャケットなどを制作していくという…。

よくCD見たら℗とか℗2020みたいなの書かれたりしてますが、これもちゃんと意味があって、規格に制定されています。
どう設定するか…とか。例えば℗2020だと、2020年に初出しみたいな意味だったりします。
結構ややこしいのですが…
例えば1990年に発売したCDを2020年にボーナストラックを追加収録して再発売する場合、これは℗2020年です。
でも、全く同じ収録曲で再発売する場合は℗1990だったりするっていう感じだったと思います。

それ以外にも…ⓁⓍとかよく見かけると思いますが…
これはⓁは国内原盤(だったと思う:汗、洋楽なら海外なのでⓎになってるかと思います)、Ⓧは発売後一定期間レンタル禁止の表示…。
たまにⓍが書かれていないCDもあると思いますが、それは発売後からレンタルOKの場合。
さっきの全く同じ編成での再発売はⓍはなかったと思うし、戦略的に発売直後からレンタルOKする場合もつけないかも…。
CDのパッケージを隅々までよく見ると注意書きとか文章に書かれているので記号の意味が分からなくてもそういう商品っていうのはわかるかと思いますし…
買う人には関係ないし、借りる人も借りれるようになってから借りると思うので関係ないかと思いますが…(笑)

で、こんな感じで色々規定があって、パッケージのどのパーツに何を記載しなければいけないかっていうようなことが決められたりしています。
工業規格的なものなのかな…。

歌詞についての掲載義務の規定はない

そんな風に色々規定がある中で、収録されているすべての曲のタイトルや作家名、実演家名(アーティスト)などを記載する必要はあるのですが、実は歌詞については記載を明記されていません。自分もいわゆる制作部門の仕事についてから初めてそういうのを知りました。
これはアナログレコードの時代からの事でもあるんですが…

小さい頃に買ったレコードや、高校生の頃に登場したCD…。
買えばすべてブックレットに歌詞が掲載されている…。
当たり前のことだと思ったのですが、実はそうでもないっていう…。

だからこそ、ユーザーからしたら昔から当たり前のことに思ってるから、歌詞が載ってないとかでクレームを入れたりすることも気持ち的にはあるでしょう…。
しかし、規格から厳密にいうとユーザーは「歌詞を載せてくれてありがとう」だったりするっていう(笑)

冒頭に書いたように、ユーザーからしたらブックレットに歌詞が掲載されているのも含めてCDでそれにお金を払っているっていう考え方も当然ですが、実は出す側にその掲載義務はなかったりするっていう…。

歌詞の掲載にも著作権使用料発生

しかも…です。これはJASRACとNexToneで確か今はまだ規定が違うんですが…ブックレットに歌詞を掲載するとその分の著作権使用料も発生するんです。
メジャーのレコード会社から所属アーティストの曲を収録したCDを発売するにあたって、当然のことながら、CDに収録した「曲」を使用しているから著作権使用料は発生しています。
メジャーに限らず、インディーズでも著作権管理団体の管理楽曲になってれば勿論そうなんですが。
そして、歌詞は歌詞で著作物なのでこれを印刷頒布(でいいのかな?)するっていう事で音に対する使用料とは別個に発生したりするわけです。

今、インターネットで歌詞サイトが色々あると思いますが…
サイトを見ているとちゃんとJASRACやNexToneの許諾マークが表示されていると思いますが…。
歌詞も著作物なので、管理団体に許諾を得て使用料を払って掲載してるっていう事だったりします。

なので、勝手にネットに歌詞を全文無許可でアップしたりすると、それは違法行為になったりします。

そして、例えば無料で配るフライヤーに歌詞を載せる場合・・・。
これも使用料がかかったりします。

歌詞は読んでもらって当たり前とか思ってるかもしれないですが…。著作物としてしっかり守られてるわけで、レコード会社としてはそのコストもかかってたりします。
だからユーザーへのサービスだと思うのはそういう立場に少しでもなったからかなぁ・・・。
再発で2000円くらいのCDにだってブックレットに歌詞載ってますからね。

配信、サブスクになって歌詞が見れなくなるっていうけど、歌詞サイトを利用して閲覧すれば多分、閲覧数が増えたらもしかしたら分配率も上がるんじゃないのかな?って
ライブでの演奏やYouTubeとかでの歌ってみた再生なんかは、そうだと思うので(これは自分の予想ですが:汗)

サブスクのサービスの中に歌詞を表示するサービスも出て来てますが、勿論権利はちゃんと処理されたうえでだと思うので…
サブスクサービスもレーベルもユーザーのためにコストはかけてるんだよっていう認識あったら、ありがたく感じられると思う(笑)

ついでに言うとジャケット写真もレコード会社の著作物

で、ホントについでにいうと…Twitterとかで好きなアーティストのジャケット写真を自分のツイートにアップしてる人とかいるけど、あれは本当は完全に違法です(笑)
何故なら、ほとんどの場合ジャケット写真はレコード会社の所有する著作物です。
もし、ネットにアップするならレコード会社の許諾を得ないとNGです。
まぁ…基本的に個人がHPとかに掲載したいって申請しても許可おりないと思いますが…。

昔はそこまでではなかったんでしょうけど、今はしっかり管理するようになってきてるのかも。

よくテレビで楽曲を紹介するときに画面の端っこにジャケットとそのアイテムが発売されたレコード会社のクレジットが表記されていると思いますが、あれはテレビ局がちゃんとこういう番組で楽曲を紹介する際にジャケット写真を表示したいって申請して許諾を得たうえでやってますから。

現状、個人のTwitterを細かくチェックしてジャケットアップしてるの見つけたからといってレコード会社から直接クレーム来ることなんて、ほとんどないと思いますけどね(^-^;

ちなみに、このブログでディスクレビューなどで商品リンクでジャケット表示していますが、あれはショップからの引用表示になってます。
何がどう違うのか見た目ではわからないですが…(^-^;
色々ややこしいのが権利の世界だと思うけど、気をつけたいし…平気で当たりまえとか自分感覚で思わないほうが良かったりもしますね。

Twitterにジャケットアップしてるのは応援して宣伝してるんだよと思ってるかもしれないけど、その方法が違法だったら元も子もなくないですか?
それよりも、例えばiTunesとかダウンロードストアやサブスクリプションのリンク共有してあげれば違法ではないし、そのほうが宣伝の役に立ってると思います。

少し、著作権の話にもなってしまいましたが、「実はそうなんだ」って思ってもらえるかもしれない話でした。